緑内障


glaucoma

緑内障について

緑内障の進行を防止したり、遅らせたりするには眼圧を低くして維持する必要があります。
ただし、ひとたび障害されてしまった視神経は、残念ながら回復することはありません。なので早期発見・早期治療が重要になります。治療法としては、薬物療法やレーザー治療、手術があります。いずれも眼圧を低下させ、視野障害の進行を止めるもしくは遅らせることで視機能の維持を図ることになります。多くの緑内障では、薬物療法が治療の基本となります。十分眼圧が下がったかどうか、診察のたびに測定する必要があります。また、実際に視野障害の進行が抑えられているかどうかを確認するため、定期的な視野検査が必要となります。

当院での検査

ハンフリー自動視野計

多くの場合、視野検査は自動視野計で行います。当院では、ハンフリー社製の自動視野計を採用しています。
自動視野計は様々な会社から販売されていますが、ハンフリー社のものは大学病院や総合病院で最も広く導入されています。
そのため、検査結果を直接比較することができ、スムーズな連携が可能になります。

ゴールドマン視野計

一般的に自動視野計で視野障害の進行の有無を計測していきますが、正確な検査が難しい場合があります。
ゴールドマン視野計は視野障害を測定する精密さでは自動視野計より劣りますが、検査員が直接患者さんの眼を監視しながら行うため、信頼性の高い検査結果を得ることが可能です。
そのため、自動視野計で正確な検査が難しい場合に非常に有効です。
また、視神経疾患・脳梗塞による視野障害、視覚障害認定のための視野測定にも有用です。 当院では患者さんの状態に応じて、上記視野検査を適宜組み合わせて行っております。

アイケア

当院で導入した新しいタイプの眼圧計です。
緑内障の経過観察として、眼圧測定は極めて重要です。眼圧は一般的に空気を吹き付けて測定する非接触眼圧計または直接医師が測定する接触眼圧計(アプラネーション)で測定します。
しかし、いずれも目を開け続けているのが苦手な方の場合、正確に測ることができません。
アイケア®は測定時間が短く、目に触れる感覚がほとんどないことから、眼を開け続けているのが苦手な方でも比較的正確に測定しやすいという特長があります。
当院では、非接触眼圧計、接触眼圧計およびアイケア®を組み合わせ、可能な限り正確に眼圧を測定し、より良い緑内障管理に努めています。

薬物療法

眼圧を下降させる点眼薬によって緑内障の進行を止めるまたは遅らせることができます。
目薬は病状を維持するためのものです、症状が改善しないからと言ってやめてしまわず、長期的に根気よく続けて行くことが重要です。
中にはしみる、さしにくい点眼薬もありますが、複数の種類があるので、処方された点眼薬があわない場合は遠慮なくご相談ください。

SLT(選択的レーザー線維柱帯形成術)

特殊なレーザーを眼内に照射することにより、眼圧を下降させる治療法です。点眼薬でも十分な眼圧下降が得られなかった場合に追加で施行することができます。
また、患者様の十分な理解のもと、点眼薬の代わりとして最初の治療として行うことも可能です。
合併症の危険性が非常に少なく、繰り返し行うことが可能です。
一部効果が乏しい場合があるということ、有効であった場合も2~3年で効果が減弱することが報告されており、長期的に経過観察することが必要です。

手術療法

以上の治療でも眼圧が十分に下がらず視野障害が進行する場合、手術にて眼圧下降を行います。代表的な術式に流出路再建術または濾過手術があり、本院では流出路再建術を日帰りで施行しています。

 

流出路再建術

線維柱帯を物理的に切開することで眼圧下降を測ります。当院にて日帰りで施行可能です。白内障と同時に施行する場合もあります。

濾過手術

新たな房水の通り道を作成することで眼圧下降を測ります。眼圧下降は強力ですが、術後のフォローも重要となります。本手術が必要と判断された場合、適切な医療機関へ紹介いたします。

マイクロパルスCPC

毛様体は房水(眼内の水)を産生する部位であり、その産生量は眼圧を決定する因子のひとつです。毛様体をレーザーで刺激することにより、房水産生能低下および房水流出量を促進させ、眼圧を下降させます。
眼圧が極めて高い方、濾過手術の適応ですが総合病院に行くのが難しい方、流出路再建術やSLTを行うも眼圧コントロールが不良な方が適応になります。当院にて日帰りで行っております。

閉塞隅角緑内障について

緑内障の病型の一つに閉塞隅角緑内障というのがあります。この病型の方は一部の薬(睡眠薬など)の内服に支障がある場合があります。
また、この病型にも点眼治療が有効ですが、最終的には白内障手術にて閉塞した隅角を開大させる治療が必要になる場合があります。
この病型の患者さんの場合、視力良好な場合でも積極的に白内障手術を勧めさせていただく場合があります。
病型の診断は診察にてすぐに判定が可能です。ご自身の病型について疑問の方は遠慮なくお尋ねください。

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